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TQMの3つの視点

TQMには、顧客志向、人間性尊重、利益確保の3つの視点があります。

 

顧客志向は、顧客視点に立ち、商品やサービスの開発を行うマーケットインの考え方のことです。TQMでは、商品やサービスの開発だけでなく、しくみ、しごと、ひとへもこの顧客志向の視点を取り入れています。「後工程はお客様」の考え方がその一つです。連携する他部門などの後工程を顧客とみなし、組織の隅々まで顧客の立場に立った活動を徹底する取り組みです。

顧客ニーズは、見えているニーズだけでなく、どんな顧客機能を解決するのか、潜在的顧客ニーズを掘り起こすことが重要です。同様に組織においても、求められる成果だけでなく、組織全体の効率化・最適化を考えたアプトプットをしていくことが重要になります。

 

人間性尊重は、文字通り人間としての特性を十分に発揮できるようにする考え方です。モチベーションなどの感情を大切にし、人材育成などを通して能力を向上させ、その能力をフルに発揮できるようにする考え方です。TQMでは、あらゆる活動にこの人間性尊重の視点が求められています。それぞれの活動は、自主性・自立性を尊重し、モチベーションを高めて、やがいを持った取り組みにしていく必要があります。

 

利益確保は、持続的に企業活動するためには必要不可欠です。経営学者のドラッカーは、著書「マネジメント」の中で、以下にように述べています。

利益とは、企業存続の条件である。利益とは、未来の費用、事業を続けるための費用である。

 

「品質重視のためコストがかかる」「品質を確保するためにスピードが遅い」という声を聞くことがあります。TQMでは、品質とは「お客様が求める要求事項をどの程度満たしているかの度合である」としており、QCDすべてを含みます。品質を向上させるとは、QCDのバランスを最適化することになります。