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演繹法と帰納法

科学的アプローチでは、論理的思考が重要になります。この論理的思考の基本となるのが、「演繹法」と「帰納法」です。

演繹法は、「AならばB、BならばC」という命題が成立するならば、「AならばC」という結論が導き出せる、という考え方です。前提となるは、原理・原則などのルールです。正しいルールに基づいた普遍的な命題を前提にし、複数の事象を足し合わせや掛け合わせをすることで、個別的な命題の結論を導き出します。

一方、帰納法は、複数の事象(個別的な命題)から共通点を見つけ、普遍的な命題を導き出す方法です。例えば、集合Aの要素の特徴に、A1はBである、A2はBである、A3もBである・・・。ならば、集合Aに属するものはBである、という結論を導き出すものです。演繹法では前提が正しければ結論も正しいですが、帰納法は、前提が正しくても結論が正しいとは限られません。事実の量・質を重視すると共に、演繹的な考え方と組み合わせ、仮説と検証と繰り返して、精度の高い結論を導くことが重要になってきます。

 

 

TQMでは、帰納法による帰納的考え方が重視されてきました。統計的手法に基づくものはもちろんですが、状況の変化を様々なデータで捉え、客観的に新たな視点を加え、その状況に適した結論を導き出すことが可能となるからです。