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何のためにやるのか?

TQMの組織的アプローチの一つである方針管理は、活動のプロセスに過ぎません。方針管理という活動ができても、中身が良くなければ期待された成果はでません。成果を出すためには、成功へのシナリオが必要となります。方針管理の活動は、成功シナリオに沿った方針を組織内へ浸透させ実行管理する活動です。

 

では、その成功シナリオとは、どんな要素があるのでしょうか?

 

どんなことにやるにも、実行に関する動機付けが必要です。

「その事業は何のためにやるのか?」このシンプルな質問に一言で応えられる経営者はどれだけいるでしょうか?事業でなくても「その作業は何のためのやるのか?」、従業員一人一人が担当している作業の目的を理解しているでしょうか。

何をやるにも、明確な目的が必要です。目的があいまいだと、あるべき姿も明確にできませんし、モチベーションも高まりません。

 

有名な話に「三人のレンガ職人の話」があります。同じレンガ積みの作業している職人に「何をしているの?」と問いかけたときの3人の回答によって、それぞれの仕事に向き合う姿勢やモチベーションがわかります。

・1人目の職人「見れば分かるだろう。レンガを積んでるんだよ。真夏の暑い日も、凍えるような冬の日も毎日、毎日、外でレンガを積むのさ。こんな仕事、嫌気がさしてるよ。」

・2人目の職人「この壁を作るのが俺の仕事なんだ。この仕事で家族が食べていけるんだ。ありがたいよ!」

・3人目の職人「大聖堂を作ってるんだ。この大聖堂が完成したら、たくさんの人が救われるんだよ。こんな素晴らしい仕事をして俺は幸せ者さ。」

 

事業も同様です。会社の存在意義や理由を定義する、いわゆるミッションを明確にすることによって、その事業に携わる人たちの事業に対する向き合い方が変わってきます。