· 

目標達成のシナリオとKPI

売上高の目標を達成するために「KPIを設定して管理しろ」と指示を受け、目標の売上高をKPIとして設定しまう間違った使い方をしてしまうケースを良く目にします。KPIとは、Key Performance Indicator の略で、成功の最重要プロセスを数値的な指標に置き換えたものです。目標の売上高は、KGI(Key Goal Indicator)で最終的な目標数値です。

 

売上高をKPIに設定したら、なぜダメなのか?

それは、現状の売上高がわかるだけで、予定していた目標値に未達でも具体的なアクションに結びつきません。そもそも目標の売上高を達成するシナリオが明確になっていないことに問題があります。

例えば、

売上高 = 顧客単価 × 顧客数

です。顧客数は新規顧客と既存顧客に分けられ、既存顧客についてもリピート率とリピート頻度など、売上高は因数分解していくことができます。ここで売上高を増加させるために何に重点を置くか、現状分析の結果も踏まえて、成功の最重要プロセス(CSF: Critical Success Factor)を設定します。一定の新規顧客は獲得しているのに売上が低迷しているならば、既存の顧客離れが発生しているのかもしれません。問題点を明確にし、課題を設定して、目標達成のシナリオを数値目標に置き換えたものがKPIとなるのです。例えば既存顧客数をKPIに設定し、既存顧客数をモニタリングします。既存顧客数を増加させるための施策に取り組み、KPIが達成ならばその活動を継続し、未達成ならば次の打ち手を考える必要があります。

 

戦略なくしてKPIを設定しても、適正な管理ができないばかりか、目標達成も遠ざかってしまう可能性があります。