ISO9001:2015の8.2.1項に「顧客とのコミュニケーション」が規定されています。ここで規定されているのは、最低限、商談手順を明確にしておきなさいということですが、箇条8.2は「製品及びサービスに関する要求事項」なので、顧客とのコミュニケーションを確立し、ニーズを捉えて製品やサービスを顧客起点で考えなさいということまで含んでいます。しかし、わかっちゃいるけど顧客ニーズを捉えられるようなコミュニケーションとはどんな手段がいいのか、非常に難しいものです。
ある工務店では、顧客接点を増やすためにカフェショップを開始しました。カフェショップは地域のコミュニティにもなり、しばらく疎遠になっていた既存顧客がカフェへ来店いただくようになり、リフォームの成約に結びついています。
ある石材加工店では、石の食器を用いた飲食店を開店しました。墓石などの需要が減少する中、飲食店という顧客接点を活用して石材加工技術を活かした新たな製品の開発を模索しています。
工務店や石材加工店が飲食業を開店するなど、一見、無関連多角化と思われる事業でも、実は顧客とのコミュニケーションを意識した戦略的な事業である場合があります。顧客とのコミュニケーションには様々な形態がありますが、顧客と接する機会をいかにして増やすかがポイントです。
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